ユネスコ無形文化遺産
ユネスコ総会で採択された「無形文化遺産保護条約」の第2条において、「ユネスコ無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」と定義されています。
同条約においては、無形文化遺産の重要性についての意識を向上させるために、ユネスコ内に設置された無形文化遺産保護に関する政府間委員会によって、人類の無形文化遺産の代表的な一覧表を作成することとされている(第16条)とされ、一般には、この一覧表に掲載される無形文化遺産を、世界無形遺産や世界無形文化遺産といった俗称で呼ぶこともあります。
そのユネスコ無形文化遺産の保護に関する条約に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」76件の一つとして、2009年に「石州半紙」は記載されました。
また、2014年に「石州半紙」は「和紙:日本の手漉和紙技術」として再記載されました。
重要無形文化財
演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いものとされる無形文化財うち、特に重要なものはその価値に基づき、重要無形文化財として指定されます。それと同時に、それらのわざを高度に体現しているものを保持者(いわゆる人間国宝)又は保持団体に認定し、伝統的なわざの伝承を図っています。
石州半紙技術者会は、1969年に国の重要無形文化財の保持団体認定を受けました。
伝統的工芸品
長い歴史を有し、それぞれの地域の風土、生活の中で育まれてきた伝統的工芸品は我が国固有の財産です。用と美を兼ね備えた生活用品として愛用され、手づりのぬくもりが感じられる伝統的工芸品は、近年のゆとりと豊かさ思考が高まる中で潤いを与えてくれる貴重な存在といえます。
伝統的工芸品とは
一般的な「工芸品」とは異なり伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき経済産業大臣が指定した工芸品を「伝統的工芸品」と言います。指定されるためには以下の条件を備えていることが必要とされます。
- 主として日常生活の中で使われているものであること。
- 主要部分が手作りであること。
- 伝統的な技術又は技法が守られていること。
- 伝統的に使用されてきた天然の原材料が用いられていること。
- 産地が形成されていること。
現在全国で210品目(H19.3現在)が「伝統的工芸品」として指定され、石州和紙は1989年に伝統的工芸品の指定を受けました。